書評『公募ガイド 2019年5月号』

昨日発売の公募ガイド2019年5月号を購読した。

今月は『登場人物に命を吹き込む』だ。

登場人物・キャラクターの作り方がメインとなっている。

公募ガイド 2019年 05 月号 [雑誌]

公募ガイド 2019年 05 月号 [雑誌]

 

 

キャラクター創作術

藤咲あゆな先生によるキャラクターの作り方が紹介されている。

実践済みの貴重な内容だが、引用は避けたい。

気になる方はご自身で確認していただきたい。

01 ジャンル別人物造形

ジャンルとは、

絵本・童話・児童書・ライトノベルライト文芸

ミステリー・歴史小説・時代小説・SF

ノンジャンル・純文学

と大別されている。

それで主要なキャラクター、

主人公のキャラ立ちをどうするか書かれている。

『ストーリー先行の落とし穴』というコラムも面白い。

02 人物造形の基本 以前紹介した方が詳しい

性格・人格のピックアップやストーリー必須項目は、

以前に紹介した公募ガイドの方が詳しい。
gayu-1tetsu.hatenablog.com

今月号はやたらとキャラの履歴を作ることを勧める。

私の実体験では、邪魔になることが多く作り込むのは無駄に思う。

キャラクターありきなら理解できるのだが。

プロットを考えてから、キャラクターを配するのであればどうだろう。

執筆する人の判断に任せたい。

ただ、キャラを立たせる鉄則は要所で挟める内容となっている。

これは活用していきたい。

03 人物の履歴を作ろう

登場人物の履歴を作ることは、

キャラクター文芸で採用されているとのこと。

小説用の履歴書が掲載されている。

荒木飛呂彦の漫画術』が出典だ。

これをベースにアレンジしても良いと書いてあった。

作っておけばキャラかぶりを避けることができる。

とあるが、私はキャラかぶりを怖れない。

人間の集団は良くできていて、

優秀な人物だけを集めたのに、なぜかサボる人が出てくるという。

アリでもハチでもそうなのだ。

人間も集団であればその中で役割が決まる。

集団の中の役割と本来の自分との乖離に苦しむのだと、

私は考えている。

群れの中に善悪の正規分布があるという、

尊敬する武田邦彦先生の意見に私は賛同する。

04 性格をどう表現するか

ここで注目すべきは、読者の記憶に残るキャラクターの書き方である。

記憶に残りやすい文章というものがあるのだ。

ここは必読であると思う。

05 キャラクターの強弱

キャラクターを立てるかどうかの話に似ているかと思いきや違う。

ここで読むべきは、バランスである。

キャラクター・ストーリー・テーマ・世界観。

この四つのバランスを保つためのキャラクターの強弱である。

一読の価値はあると思う。

06 脳科学的キャラクター造形

諏訪東京理科大学情報応用工学科、篠原菊紀教授による

脳科学によるキャラクター造形がインタビュー形式で掲載されている。

私はここが一番面白かった。

性格心理学という、私が追求している普遍性の話だった。

どこの国でも、どの地域でも、どの時代にも出てくる

因子だというのだ。

また、気質の組み合わせで相乗効果があることもわかった。

有益だったのは、人の脳の短期記憶容量である。

読者が何人までの登場人物を覚えられるか、

作者なら頭に入れておきたいところだ。

まとめ

登場人物を考えることは、

読者の記憶になにが残るかを考えることだと思えた。

今回も公募ガイドで創作論を大いに刺激された。

蛇足 Vtuberになってみた


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